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第1話 夕日の誘い

タムリエル大陸には九つの地域があり、それぞれの地域にそれぞれの種族が住んでいた。

そのうちの一つであるシロディールは英雄ティバー・セプティムが築いた帝国の中心地で、各地からさまざまな種族が集まってくる首都州である。

八つの地方都市から成るシロディール。その首都インペリアルシティには、セプティム家の覇権の象徴ともいえる巨大な白塔が、高々とそびえ立っていた。







「きれい…」

インペリアルシティの庭園地区に備え付けられているベンチに腰かけ、街の中心にそびえる白塔を見上げながら、一人呟く。
夕日を受けて桃色に染まる白塔はどんな景観よりも美しく、こうして帝都に来たときにその姿を見ることが、私の密かな楽しみだった。
そんな塔では、お偉方の会議が開かれたりしているらしい。
といっても、一般市民の私には無縁な場所だし、さして興味もそそられないが。







「お嬢!」

聞き慣れた声のする方を見ると、アニャヴィのホタルが手を振りながらこちらへ駆けて来ていた。
アニャヴィは、まるで子どものような小さな身長と、猫のような耳と尻尾が特徴の種族だ。

私が手を振り返すと、ホタルは満面に喜色を浮かべ、さらに足を速めた。

「お待たせしました! お嬢が読みたがっていた本、注文してきましたよ。来週には届くそうです」

「ありがとう、ご苦労様。
…ごめんね? 自分のことなのに、ホタルにばっかり動いてもらっちゃって」

「何をおっしゃいますか! お嬢の身の回りのお世話をすることが私の務めであり、生きる喜びです。
それに、お嬢にここで待つようにお願いしたのは私です。お嬢が気に病むことなんて何もありません」

「でもせっかく久しぶりに帝都に来たんだから、どんな場所でもホタルと一緒に行きたいのよ」

「お嬢…(´;ω;`)」

うるうるとその金色の瞳を潤ませたホタルは、大好きです! と叫びながら勢いよく抱きついてきた。
そのままベンチから転げ落ちそうになるのを何とかこらえ、私はホタルの小さな頭を撫でた。
嬉しそうにぴくぴくと動く三角の耳を見ると、なんだかこっちまで嬉しい気持ちになる。

二年前のある日、私は見知らぬ屋敷で目覚めた。
いや、もしかしたら知っている屋敷なのかもしれない。
だが、覚えていたのは自分の名前だけで、目覚める以前のことは全く思い出せなかったのだ。
いわゆる記憶喪失の私に、ホタルはそうすることが当たり前のように献身的に尽くしてくれた。
そんな彼女と打ち解けあうのに時間はかからず、私たちはいつしか本当の姉妹のような仲のいい間柄になっていた。

「お嬢、そろそろ宿に戻りましょうか」

そう言って抱きつく手を緩めたホタルに頷き返したとき、目の前を一人の男が通り過ぎた。







背中にかかるほどの長い髪はブロンズグレイで、歩くたびに優雅に揺れている。
そんな男の髪を、私は食い入るように見つめていた。

――私、あの人のことを知ってる…?

何故そう思ったのかはわからない。
ただ、あの髪色を見て”懐かしい”と感じたのだ。

気づけば、私は立ち上がって男の元へと駆け寄っていた。
異変に気づいたホタルが私を呼ぶ声も、今の私の耳には届かない。







「待って」

呼び止められた男は立ち止まり、首だけを動かしてわずかにこちらを見た。
そして私と目が合い、その言葉が自分に投げかけられたものだということに気づくと、ゆっくりと振り向いた。

男は美しい容姿のエルフだった。
元々エルフは端整な顔立ちをしている者が多い種族だが、この男は一際美しい。
そして深緑の瞳。
生い茂る木々を思わせる安らぎに満ちたその双眸に、やはり懐かしさを覚えた。

――やっぱり、知ってるような気がする…

心は覚えているような気がするのに、全く思い出せない。
その相違がもどかしくて仕方がなかった。







男は最初、何故自分が呼び止められたのかわからないといった様子で不思議そうな顔をしていたが、私が何も言わずにただじっと見つめているだけなので、少し困ったように微笑んだ。

「何か?」

「えっ? あっ…え、えっと…」

言われてようやく我に返った私は、勢いに任せて呼び止めたことを思い出し、何故か急に恥ずかしくなった。
それでもせっかく立ち止まってくれたので、私は少し頬を赤らめながら、胸につかえていた疑問を口にする。

「あの、どこかでお会いしたことありますか?」

記憶がないのでこういう聞き方しかできないのは仕方がないのだが、我ながら間抜けな質問だなと思った。
案の定、男はきょとんとしていた。
しかしすぐに顎に手をやり、真剣な面持ちで目を伏せた。記憶を辿ってくれているのだろう。
男が自分を知っていたら、もしかしたら何か思い出せるかもしれない。
そんな淡い期待を抱いてその様子を見ていたが、しばらくして男は首を横に振った。

「…すまない、今日が初対面だと思う」

「そう、ですか…」

「お嬢、急にどうし――」

肩を落とす私の傍に駆けて来たホタルだったが、男の顔を見るなり絶句した。

「…?」

身を強張らせて男を見る、というより睨んでいるホタルの顔には、驚きと焦り、そして憤りのようなものがにじみ出ていた。
今までに見たことのないホタルの様子に、少し不安を覚える。

「ホタル、知ってる方なの?」

「い、いえ…」

そう言って首を横に振っているが、明らかに動揺している。

「…彼女とも面識はないはずだが…」

「ないです! あるわけがありません!」

男の言葉に、ホタルは拒絶に近い否定を示した。
そして今にも飛び掛るんじゃないかと思うほどに、困惑した様子の男を睨みつけている。
そんなホタルの視界から男を隠すように、私は慌てて二人の間に立った。

ホタルは私に対しては寛容でよく懐いてくれているのだが、自分が敵と見なした人間に対しては攻撃的になり、徹底的に潰しにかかることを知っていたからだ。
実際、以前帝都へ買い物に来たときに、私に絡んできた輩数人を目も当てられないほどに伸したこともある。
つまり、怖い。

「あの、ありがとうございました」

二人をこれ以上同じ場所にいさせてはならないと思った私は、男にぺこりと頭を下げて話を締めにかかった。
少々強引かと思ったが、ホタルはばつが悪そうな顔をして、それ以上男と目を合わそうともしなかった。

見知らぬ女二人に、突然自分を知っているかと聞かれたり、こんな奴知らないと怒鳴られたりして気分を害していないわけがないのに、それでもそんな様子を一切見せずに、男はやんわりと微笑んだ。

「あぁ、それでは」

男は去り際にもう一度私に微笑みかけ、踵を返して再び歩いていった。







風に舞うブロンズグレイの髪が夕日に照らされて一層煌めく。
その姿を帝都の白塔よりも美しいと感じ、同時に胸が痛いほどに軋み、何故か泣きたい衝動に駆られた。
私は見えなくなるまで男の背中を見続けていた。





――”あの方”が、生きてる…? いや、そんなはずがない…それなら、さっきの男は…?

険しい顔をしたホタルが、私の後ろで彼に鋭い視線を送っていたことは、知る由もない。





* * * * * *



メインクエストをクリアしていないというのもありますが、オブリの歴史や世界観をいまいち理解してません(ノ∀`)タハー

なので間違った解釈をしている場合があると思いますが、そのときは指摘していただけるとうれしいです^^

誤字脱字等もありましたら随時ご報告ください><



web拍手

初書き込みできるかな?
[ 2010/01/03 07:10 ] [ 編集 ]

おお、出来たできた。
とにかく、初ゲット。
おつかれです。更新楽しみにしてますよ^^
多少世界観からずれようと、表現したいことを表現しませう
[ 2010/01/03 07:12 ] [ 編集 ]

>>etoさん

初書き込みありがとです^^
自分の書いた文章が今まで以上にいろんな人に読まれるかも?って思うと、更新するのちょっとドキドキしたw
自分らしく表現できるようにがんばりまーす( `・ω・´)b
[ 2010/01/03 16:03 ] [ 編集 ]

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